社会の諸問題と闘うアーティストの時代だったジョン・レノンが、パスポートも国境もない仮想の国家「ヌートピア」設立を宣言したアルバム『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』のアルティメイト・コレクションが出る。愛息ショーンによってリマスターが行われた最新版に加え、スタジオでのエフェクト、リバーブ類を外したジョンならではの尖ったボーカルがたっぷり楽しめるバージョンやデモなど、聞き所満載だ。
『マインド・ゲームス(ヌートピア宣言)』リリース後、ジョンは秘書のメイ・パンと共にヨーコの元を去って、あの有名な「失われた週末」へと突入するだけに、改めてこのアルバムに触れると複雑な思いも湧いてくるのだが、ロッキング・オン8月号ではこれについて書いたのでぜひ読んでいただきたい。
また69年の貴重なインタビューも掲載されており、ジョンとヨーコの平和運動に対して世界中で非難や揶揄が集まるなか、ユーモアを持ってやることが大事なんだと語る二人の姿には、今の時代にも通じるヒントが沢山詰まっている。(大鷹俊一)
ジョン・レノンの記事が掲載されるロッキング・オン8月号