物わかりよく、なんてならない

THE★米騒動『輝かしい未来へ』
2014年05月14日発売
ALBUM
THE★米騒動 輝かしい未来へ
2010年、閃光ライオットでグランプリを獲得し、『どうでもいい芸術』、『十九歳でぜんぶ終わる』の2作で、その内なるいびつにせめぎ合うエモーションをスリリングな音へと転換してきたTHE★米騒動。高校の軽音部で結成し、ここまで全力で、怒りも怨念も、疑問も諦めも、世を挑発するように投げてきた3人だが、この3作目と5月末のライヴで無期限活動休止することとなった。それは『輝かしい未来へ』向かうものであり、ひりひりとした青春時代の終わりを告げるものなんだろう。ひとつのバンドとして、成長を刻んでいくことより、最も感性が鋭く、どこに着地するでもなく放電するがままの危ういエネルギーを、美しい形で永遠に封じ込めることを選んだ。バンドの美学としては納得のいくものがあるけれど、おいそれと出来るもんじゃない。このアルバムには、得体の知れない感情、疑問、が様々なサウンドでもってグロテスクにのたうっているが、終止符を打つその圧倒的なパワーも加わっている。プレイボタンひとつで、生々しく青春期の血の香りがする、THE★米騒動の極みたる作品になった。(吉羽さおり)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする