タイトルがすべてを物語る傑作

デス・フロム・アバヴ1979『フィジカル・ワールド』
デス・フロム・アバヴ1979 フィジカル・ワールド
なんと10年ぶりの2作目である。しかし、素晴らしい。10年分長生きした甲斐があったというものだ。メンバーはもちろんジェシーとセバスチャンのふたり。ベースとドラムの2ピースという究極のミニマル編成のバンドは、その後同種のものがいくつか出てきたけれども、オリジナリティとポップ性を完璧に両立させ、オルタナティヴでありながら実験的になりすぎず、ロックとしてのカタルシスもちゃんと保っている、という奇跡的なバランスは、やはりこのバンドが唯一無二であることが、本作を聴くとよくわかる。基本的な音楽性はファーストで既に確立しているが、本作はさらに吹っ切れているというか、小細工なしのフィジカルな爆音ロックに徹している感があって、痛快度は前作以上だ。アイディア一発のコロンブスの卵のようなバンドだけに、最初は良くても次の発展性という点で煮詰まってしまったのが10年もブランクがあいた理由だろうが、普遍的な優れたアイディアなら無理に発展させる必要はないのだ。内実と体力を鍛え、唯一無二のアイディアをさらに強化し純化することで、こんな素晴らしいアルバムになった。(小野島大)
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