さよなら、また今度ね、傑作1stフルアルバム『P.S.メモリーカード』から約1年ぶりのミニアルバムは、全6曲とも抜群のメロディが踊る出色の出来。冒頭には恋の躁状態をエヴァーグリーンなラブソングに仕上げた“クラシックダンサー”。そして、最近ライヴで頻繁に披露されている、紅一点、キュートなベーシスト・佐伯香織がリードヴォーカルを取る“ミルクアイス”は、新たなキラーチューンとなるだろう。

奔放かつ鮮やかな手さばきでリスナーをかぶきつつ、「夕方」という非常に青春的な言葉を冠したタイトルにも表れているが、甘酸っぱさがジワジワとこみ上げてくる。カラッと美味しく仕上がったポップロックかと思いきや、強い普遍が心の奥底にぐっさりと刺し込まれる。その刺激は傷跡なのか、宝物なのかわからないが、とてもマジカルな感覚だ。極めて即効性の高いポップ・ミュージックでありながら、「過去」は尊い「今」の積み重なりであり、それが輝く「未来」に繋がっていくという強固で愛おしい事実がここにはある。やっぱりさよ今、只者じゃない。（小松香里）