3ピースバンドによる新たな始まり

plenty『空から降る一億の星』
2014年11月05日発売
MINI ALBUM
plenty 空から降る一億の星
ここ最近のインタヴューで、江沼は何度も「バンドになりたい」と口にしていた。2011年にドラマーが脱退してからの3年間、サポートメンバーを迎えてライヴや楽曲制作を続け、ストリングスやピアノを使って既発曲をリアレンジするなど、密度の濃い時間を過ごしてきた。そして今年8月、正式メンバーとして中村一太(Dr/ex.the cabs)が加わった。3人で作った今作は、3ピースならではのシンプルで無骨なサウンドが鳴っている。“ぼくがヒトであるなら”や“パンク”のしなやかなメロディとタイトなビート。江沼が求めるバンドとは、3人が各々の身体と楽器と意思を持って、もつれ合いながら進むものだったのだろう。シーンに現れた時からずっと、江沼は傑出したソングライターでありヴォーカリストで、バンドなのにたったひとりで大きなものと戦っているような孤独さと聡明さがあった。けれど今は、血の通ったバンドであることを望み、3人で曲を作ってはその時々に生まれる衝動を共有して楽しんでいる。その過程を瑞々しいままに刻みつけたこの7曲は、生まれ変わったplentyの決意そのものだ。(若田悠希)
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