バンドという生き物の営み

indigo la End『幸せが溢れたら』
2015年02月04日発売
ALBUM
indigo la End 幸せが溢れたら
昨年の8月、サポートベーシストだった後鳥亮介が正式メンバーとなり、そしてつい先日、約5年間にわたってドラマーであったオオタユウスケの脱退が明かされた。その2つの出来事の間で4つのピースが完璧に揃った時に作られたのが、今作である。

1曲目“ワンダーテンダー”から、後鳥のメロウなベースラインがぐいぐいと表に出ている。彼の加入は3人に新鮮な風を吹き込んだのだと思う。新たなリズム隊がエネルギッシュなグルーヴを創り出し、フィジカルで抜けの良いサウンドに生まれ変わったのだ。

そして注目すべきは、それに導かれるようにパワーアップした、ヴォーカリストとしての川谷絵音。彼の切なく線の細い声が、今作では豊かで芯のある歌へと進化を遂げている。だからこそ、喪失を歌ったラブソング集というアルバムに、素直な筆致でパーソナルな心象風景を綴った、“心ふたつ”や“幸せが溢れたら”という歌心に富んだストレートなバラードが生まれたのだ。バンドというひとつの生き物が育ち、成熟することで現れた新しい土壌の上で、瑞々しくも逞しいポップソングが鳴っている。     (若田悠希)
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