「僕らが作った音楽が持っている使命が、すげえでかいっていうのが最近わかって。その音楽に、僕たちもすごく助けられてるし。（中略）だけどね、ついていくのがやっとなんだよね。もう、怖いことばっかだし」……東京ドーム公演を軸として『WILLPOLIS 2014』を総括したツアー・ドキュメント映像作品である今作の冒頭にも引用されている、藤原基央のドーム公演のMCに、改めて胸が震えた。BUMP OF CHICKENが『WILLPOLIS』を通して掲げてきたのはまさにその、いちバンドとしての役割を超越して、ロックの「今」と「これから」を担う意志と覚悟そのものだった。

そして彼らは、“firefly”“虹を待つ人”といった楽曲群でのサウンド面の極限進化や初音ミクとの「共演」までフル動員した東京ドーム公演でもって、自らを壮大なスケールでアップデートし、観客も含めて「その先」へと導いてみせた。演奏シーンのみならず、随所に挿入された4人の真摯な言葉から、それぞれの決意がリアルに滲んでくる名盤。今作をより深く堪能したい方は、ツアーOPアニメの「完全版」を収録した初回限定盤でぜひ。（高橋智樹）