2015年最初のリリースとなるシングル。表題曲はこのところのイべント出演でも披露されており、山中拓也(Vo・G)は、地元・関西のなんばHatchワンマンを行うタイミングで「もっと多くの人に発信したい」楽曲だとコメントしている。もしかすると、人々がオーラルというバンドに抱いていたイメージそのものを、覆し得るナンバーかも知れない。少なくとも僕にとってはそうだった。極めて流麗なメロディが駆け抜ける率直なラブソングであり、そこで描かれる鮮烈な恋の体験は、既に過去の物語である。過去を永遠に変えるための歌なのだ。オーラルは元々とてもロマンチックなバンドだが、ややこしく入り組んだ今の視界を4人で掻き分け、突き進むロックンロールにロマンを宿らせるバンドなのだと思っていた。しかし、何年も前に書かれていたというこの曲はそうではない。過去を永遠に変えようとする思いにロマンを宿し、普遍性を摑み取っている楽曲だ。人知れず逞しく咲いていた野花のような、或いは、夜に旅人を導く北極星のような、そういう大きな価値と意味を、バンドのキャリアにもたらしている。(小池宏和)