あなたの光の欠片と響き合う歌

RADWIMPS『ピクニック』
2015年06月10日発売
SINGLE
RADWIMPS ピクニック
アコースティックギターとピアノを基調として編み上げた、触れた瞬間に壊れそうな透度と純度に満ちたサウンドスケープ。珠玉のメロディとともに《じゃあ誰に教わればいい? はじめて生まれたんだ》と「一度きりの限られた時間を懸命に生きるしかない僕ら」の真理をいとも鮮やかに射抜いてみせる詞世界……野田洋次郎が自身初主演の映画『トイレのピエタ』の主題歌として書き下ろしたRADWIMPSの新曲は、どこまでもリアルかつ鋭利に人間の哲学を突き詰めロックに織り込んできた彼らだからこそ描き得る深淵の風景を、やわらかなバラードナンバーの中に響かせている。蒼くもどかしく不器用な恋の一瞬一瞬を永遠との対比で活写していくような野田の視線はそれ自体がひとつのアートとしての目映い輝度を放っているし、《僕らは 奇跡にも 及ばない光》に続けて最後に提示する《それならいっそ僕ら》のリフレインが、現実の中で聴く者ひとりひとりが懸命に抱え続けるなけなしの光の欠片と呼応して全身を駆け巡っていく。静謐な野田の歌から滲むヴァイブは、震えるくらいに優しく、強い。(高橋智樹)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする