結成20周年を記念して企画されたベスト。さすがモグワイ、20年分の集大成とはいえCDは3枚、アナログ盤では6枚組となり、トータルで3時間40分の大ヴォリュームだ。
デビューから2003年までの作品を集めたディスク1は、単に時系列で代表曲を並べただけでなく、収録アルバムごとに選ばれた数曲が固まった形のまま前後して配置されており、ヴァイナルの各面も意識しながら“モグワイ・フィア・サタン”でクライマックスを迎えるようなこだわりの構成をとっている。一方ディスク2は普通に年代順だが、やはり作品ごとにまとまった形で並び、こちらはポスト・ロックというジャンルにひとつの様式を確立した彼らがパターン化の罠に陥ることなく様々な音楽的展開を試みてきた、ここ10年間の誠実な歩みを実証する内容と言えるだろう。最新曲“ティーンエイジ・エクソシスツ”が、少し違和感を持たせながらラストを締めくくるのも、逆に今後の期待へ繋がっていく終わり方だ。そしてディスク3も、最後をアルビニ録音の20分を超す“マイ・ファーザー・マイ・キング”で締めくくるなど、おまけのレア・トラック集以上の聴き応えがある。(鈴木喜之)
モニュメントに相応しい
モグワイ『セントラル・ベルターズ』
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