前作『アート・オフィシャル・エイジ』はほとんど狂い咲きという、全盛期を彷彿とさせる内容となっていたが、今回はかなりその延長上にあるアルバムとなっていて、入れ込み方だけがちょっと軽くなった分、より聴きやすい。とはいえ、きれいにまとめようとか、超一流に仕上げるとか、そういう意識はなくなったようで、思いついたままの閃きを全力で形にするプリンス作品になっており、前作同様とっても嬉しい。『アート・オフィシャル・エイジ』では好きな表現をしてみたら、とっても実験的になってしまった、という楽曲を次から次へと披露していく内容になっていたが、今回は好きなように曲を書いたらどうしてもポップなファンク・ロックになってしまうプリンス、という内容がずらりと並んでいる。冒頭からかなり力の入ったファンク・ナンバーが続くが、今なぜファンクを、という気負いはまったくなく、むしろプリンスとしての意匠はみっちり施されているところがとてもいい。個人的にはもろGファンクな10曲目がかなりツボで、考えてみればプリンスこそ、この音を最初に鳴らすべきだったのにと身をよじってしまった。(高見展)