鮮やかな変貌過程
ザ・ストライプス『ライヴ・イン・トーキョー 2015』
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ALBUM
札幌から福岡まで回る大規模な来日ツアーを今週スタートさせたストライプスの、2015年7月に渋谷クラブクアトロで行われた一夜限りのプレミアム・ライヴを収録した来日記念盤が本作。10曲収録のCDと、同日の公演を含む4曲を収めたDVDのカップリングとなる。7月のこの公演は2nd『リトル・ヴィクトリーズ』のお披露目となったライヴだったが、改めて聴いても、やはり新曲のプレイが出色の出来だ。荒っぽいアンサンブルの中からくっきりサビのキメ・フレーズが浮かび上がってくる“エイティ・フォー”や、ストライプスのソングライティングの現時点での最高値を記録した“スカムバッグ・シティー”、そして音源よりファンクの弾力を増した“ゲット・イントゥ・イット”と、曲調のヴァラエティの多様化に合わせてプレイも自覚的になったと言うか、以前のように良くも悪くも勢いで突っ走りっぱなしではなく、曲毎に最良の手段を考えて選び採るようになっている。いや、なりつつあるのを感じる。いずれにしても本作は試運転の記録、さらなる真価は数千人を相手にするスタジオコースト公演を含む11月のツアーで目撃できるはず。(粉川しの)