すごいの来たな、これは。フォーキーなリフと口笛、手拍子で始まったかと思いきや、次の瞬間に灼熱のロックサウンドが立ち上がり一気に転げてゆく。本格再始動後1発目となる阿部真央のシングル、めちゃくちゃ攻撃的である。今後のライブでヒートアップする場面が目に浮かぶようだ。《あんたイカれてるよ》とか《気持ち悪くて反吐が出そう》というアグレッシブなフレーズが次々に飛び出してくるのだが、それよりも素晴らしいのは、この緊迫感を昂ぶったまま伝えるメロディとしてきっちり仕上げていること。これだけアッパーな曲調の中で、あべまのメロディメイカーとしての手腕を見せつけられる点が鳥肌モノなのだ。しかも、サビは《uh-》と伸び続けるハイトーンで大胆なインパクトを残してゆく。コミュニケーションの摩擦の中で心が擦り切れる前に余さず叫び歌い切る、そのヒリヒリ感こそがキモとなる衝撃的な1曲だ。また、カップリングには6月1日リリースのライブ映像作品から、“じゃあ、何故”の弾き語りとスペシャルメドレーを先行収録。やはりライブ時の彼女をイメージさせてやまない作品である。(小池宏和)