昨年5月にデビューアルバム『YASHINOKI HOUSE』をリリース以降、会話の端々で、街中で、ネバヤンという言葉とその音楽を何度耳にしただろうか。仲間や愛する人と過ごす幸福な時間を鮮やかに彩るプレイフルなサイケデリックフォークロックで快進撃を続けるnever young beach。初夏に届けられた2ndアルバムは、サウンドも景色も視点もよりふくよかになり、光を纏っている作品だ。《僕らはまだまだ足りないぜ　どうにかなりそうさ》《「昔はよかったよ」だなんて　よかったことないね》（“fam fam”）なんて明るく心情を吐露しながら、《明るい未来の話し／例えば僕らが死んでしまっても／あっちでも仲良くやろう／いつまでも側にいてくれよ》（“明るい未来”）とロマンティックに未来を語る。何事でもいつかは終わりがくる。それを知りながらも、今この瞬間への愛おしさを抱きつつ、くだらないジョークを言いながら笑顔で「その先」へと歩みを止めない姿は、いまの時代にとって何よりもリアリティがあるし、希望を感じさせる。だからネバヤンは最高なのだ。彼らの季節はまだまだ終わらない。（岡崎咲子）