ここまで振り切れてこそのコラボ

androp『SOS! feat. Creepy Nuts』

発売中

androp SOS! feat. Creepy Nuts
不穏なムードを煽る鍵盤の旋律とトライバルなパーカッションのビート、さらに波のSEに吸い込まれると時空が歪み、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』で有名な“ツァラトゥストラはかく語りき”のイントロダクションが差し込まれる。そこからサビが始まり、夏を徹底的にディスった果てに夏を謳歌する、アクの強いキャッチーさをたたえた楽曲が転がっていく。andropはCreepy Nutsをコラボレーション相手に迎えることで、これまでのパブリックイメージをこの1曲だけでドラスティックにひっくり返している。ご覧のとおり、ジャケットもかなりキている。このタイミングでandropが欲したのは、振り切れたユーモアであり、エンターテインメント精神なのだろう。もはや「フリースタイルダンジョン」現象を飛び越えて、その完全無欠のスキルをクロスオーバーに見せつけているR-指定がDJ松永とともに掲げるスタイルは、鬱積したルサンチマンを痛快に昇華するもので、なるほど、光と闇、あるいは喪失と再生を描き続けているandropと不可思議だが必然的なハモり方をしている。(三宅正一)

最新ブログ

フォローする