DAOKOの音楽に触れたことがある人ならば、彼女のアイコンカラーが青色であることはご存知と思う。ジャケットデザインで、ファッションで、メイクで――自身がいちばん好きな色と公言するだけあって、本当によく似合う。2ndアルバムのタイトルは『THANK YOU BLUE』。1stシングル『ShibuyaK／さみしいかみさま』から最新シングル『ステップアップLOVE』まで、センシティブで大胆な「青の時代」を彩ってきた全14曲。1stアルバム『DAOKO』をリリースした時はまだ女子高生だったが、そこから約2年9か月。幅広い魅力が集約されており、早くもベストアルバムのような密度と存在感だ。ラッパーであり、シンガーでもあるDAOKOだが、最近ではポップスの要素がより前面に押し出されている。こうした変化は、様々なアーティストやクリエイターとの制作を重ねていったこととシンクロしているのだろう。未発表曲を聴いてみると、やりたいことをやる奔放さは健在のよう。青い時代に感謝を告げ、ここからどう色を変化させていくのか。20代、おもしろい方向にさらに向かっているに違いない。（峰典子）