灼熱の冷気

エディターズ『ヴァイオレンス』
発売中
エディターズ ヴァイオレンス
前々作『ザ・ウェイト・オブ・ユア・ラヴ』以降、エディターズはUKインディの枠を突き破って唯一無二のポジションを確立したバンドだ。U2にも肉薄せんとする彼らの楽曲のスケールは、3年ぶりの新作である本作でさらに劇的な進化を遂げている。タイトルはずばり「暴力」、アートワークもご覧のとおりショッキングで、作品全体から怒りや痛烈なメッセージ性を感じる。それは近年の世界の政治的混乱、社会の分断の有様と無関係ではないだろう。ただし彼らのサウンドはディストーションを極限まで利かせたインダストリアル・ビートが透徹した美しさを持ち、つんのめって疾走するノイズ・ギターが聖堂に響くゴスペルのようなコーラスと均衡を保っている。つまりその怒りは文字通りの烈火ではなく、触れると冷たさを通り越して熱と痛みを感じる氷のような表出なのだ。フローレンス・アンド・ザ・マシーンとの仕事で知られるレオ・エイブラハムズのプロデュースが大正解。(粉川しの)
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