音像の美しさにため息

チャーチズ『ハンザ・セッションEP』
発売中
EP
チャーチズ ハンザ・セッションEP

18年にリリースしたアルバム『ラヴ・イズ・デッド』はバンドのネクスト・ステージを明確に感じさせる作品であり、メランコリックなメロディとローレン・メイベリーの透明感のある歌声を存分に堪能させるサウンド・プロダクションに喝采を送りたい気持ちだった。同じく18年のフジロックでは、ホワイト・ステージのトリを務め、サポートでドラムを加えた編成により、アルバムからの楽曲も見事なスケール感で披露してみせてくれた。そんな名作『ラヴ・イズ・デッド』の収録曲から5曲がピックアップされ、ストリングスとアコースティック・サウンドでリアレンジ、再レコーディングされたのがこの『ハンザ・セッションEP』だ。デヴィッド・ボウイ『ロウ』、『ヒーローズ』といった重要作やイギー・ポップ『ラスト・フォー・ライフ』、U2『アクトン・ベイビー』など、名だたるアーティストたちの歴史的な名盤を数多く生んだドイツ、ハンザ・スタジオでの録音というマジックもあり、そのドラマチックな音像は見事なバランスで響き、それに呼応するかのようにローレンの奥行き深い歌声もため息が出るほどに美しく響く。ストリングス・アレンジの妙もあるが、シンセ・サウンドの装飾を取り除いた分、そもそもの楽曲の良さが露わになったように感じられるし、やはりローレンの歌声は素晴らしい。特に“ミラクル”の静かな波のように押し寄せる歌声と、そのメロディとアンサンブルの魅力には抗えそうにない。大名曲“ゲット・アウト”の歌唱もオリジナル以上にエモーショナルに響き、“ヘヴン/ヘル”のストリングスの展開には、ポップ・ミュージックを超えた感動がある。そしてまたオリジナルの『ラヴ・イズ・デッド』を聴き返したくなるという不思議。来日公演も楽しみだ。(杉浦美恵)



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チャーチズ『ハンザ・セッションEP』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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チャーチズ ハンザ・セッションEP - 『rockin'on』2019年2月号『rockin'on』2019年2月号
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