笑顔と涙を行き来させる、曲の力
The Birthday『VIVIAN KILLERS』
2019年03月20日発売
2019年03月20日発売
ALBUM
フェス出演などにおいて、開かれた印象が強まっているThe Birthday。記念すべき10thアルバムとなる今作も、それを映し出したかのように奔放でエモーショナルな仕上がりだ。まずは歌詞。《THIS IS MONUKE NO KARA》(“LOVE IN THE SKY WITH DOROTHY”)、《Oh Yeah ONLY HOP POP CORN》(“POP CORN”)といった、意味がなさそうだがツボに入るチバユウスケ語だけではなく、シングル“青空”で光っていた希望の言葉が、《たとえば音楽が 空にいくら吸い込まれようとも/止むことはないと 思えたよ》(“星降る夜に”)など、他の曲でもきらめいているのだ。もっと言えば、リフやビートも一瞬で心を持っていかれるものが多い。「やっぱりThe Birthdayはいいね!」だけじゃなく、「この曲いいね!」と言われる力を感じる。そういう意味では、オーソドックスなようでいて、今の時代に刺さる――そこを彼らが考えていたのかどうかはわからないが。とにもかくにも、《このくそメタルババァがよ》のパンチラインとパンキッシュな疾走感がたまらない “DISKO”は全キッズ必聴。 (高橋美穂)