身を削る痛みよりも、命の輝きを放出する至福の2日間であった。以前の
MY FIRST STORYは触れると壊れそうな繊細な感情表現が目に付いたけれど、今は断じて違う。昨年7月から行われていた「S・S・S TOUR 2018」ツアー・ファイナルは横浜アリーナ2デイズで開催。しかも2日間を通じて1曲も被りなしのセットリストだったので、両日共に足を運んだファンも多かったのではないか。無論、バンドにとっても初挑戦ではあったが、そのいい緊張感がメンバー4人の士気を高め、観客の笑顔と興奮、アリーナに立ち昇る巨大なシンガロングを引き出していたように思う。今作はその2日間に及んだライブ本編(アンコールを除く)を完全収録。脳天に叩き付ける激越なロックナンバーから聴き手に寄り添う繊細なアコースティックセットまで披露し、また初日は“2FACE”でアイナ・ジ・エンド(
BiSH)、2日目は“レイメイ”で
さユりとコラボした化学反応も必見。そして、何より彼らが目標に掲げた東京ドームが鮮やかな輪郭を帯びる生気漲るパフォーマンスは間違いなく過去最高と言えるものだった。(荒金良介)