メジャー再契約のニュースを聞き、今回の『ハイライト / ひとりで生きていたならば』を聴き、彼らはここ数年の躍進の中でも、ずっと引っかかっていたものがあったのだな、それを消化する場所にたどり着けたのだな、と思った。《圧倒的な感動を 圧倒的な感情を》封じ込めた“ハイライト”からは、自分たちの愚直さを受け入れ、どんな状況でも、どんな時代でも、揺るがずに生きていくという信念が見える。大合唱必至の「青すぎるほどの青さ」も、今だからこそ美しい形にできたのだろう。続く“ひとりで生きていたならば”は、映画『水上のフライト』主題歌として、その世界観に寄り添い、ストリングスが響き渡る、彼らの積み重ねが表れた「広い」楽曲になっている。さらに、3曲目は以前のメジャー在籍時の最後にリリースしたアルバムに収録されていた、《拝啓/数年前の僕》と歌う“まわる、まわる”のセルフカバー。全体を通して物語が感じられる、ていねいに作られた一枚だ。初取材は10数年前、それからずっと聴き続けているが、改めて信じられるバンドだと思う。踏み出した一歩に、おめでとう。(高橋美穂)
貫き、広がり、遡り、成長する
SUPER BEAVER『ハイライト / ひとりで生きていたならば』
2020年06月10日発売
2020年06月10日発売
SINGLE