このバンドの良さはズバリ、音楽の密度の濃さ。シンプルでストレートでポップなギターロックなのだが、メロディも密度が濃いし、曲のスピード感と言葉の展開の絡み方とかがすごく密い(密度が高い、の短縮形)のだ。もうね、メロディなんか1曲なのに3曲分ぐらい詰まってるから。AメロもBメロも、サビぐらいの魅力がある。だから逆にサビが超シンプルだったりして、その展開もまたかっこいい。密い。
6ヶ月連続配信リリースの第1弾のこの曲は、そんな彼らの良さが弾けた名曲なんだけど、1分48秒でビュンと終わってしまう。いいメロとフレーズが溢れるように展開するのに、あっという間に終わってしまう。このたまらないせつなさ。「その一瞬がどれだけ濃くて美しいか」が、ロックの唯一の基準であることをこの人たちは知っている。(山崎洋一郎)