心が芯となった10年
SEKAI NO OWARI『SEKAI NO OWARI 2010-2019』
2021年02月10日発売
ALBUM
デビュー10周年を記念して、昨年5月にリリース予定だった初めてのベストアルバム。新型コロナウイルスの影響により延期になっていたが、デビュー11年目を迎えるメモリアルな日付の2月10日に、満を持してリリースされる。2枚組で、それぞれ15曲収録(加えてDISC2のボーナストラックに、今作でしか聴けない“Summer”を収録)。メンバーとスタッフによる選曲で、DISC1はインディーズ時代のアルバム『EARTH』や初期の楽曲を中心に、DISC2は最新アルバム『Eye』『Lip』を中心に――とは言え、リリースの時系列は曲順と比例していない。シングル曲は網羅しつつ、ひとつの作品としての流れを考慮したような印象だ。特に、ルーツのひとつである“MAGIC”のカバーが収録されているところは、歩みの真摯な提示に感じた。DISC1が、初めて聴いた彼らの楽曲“幻の命”からスタートするので、11年前の衝撃が一気に蘇ってきた。規模も音楽性も、交わる時代や人によって広がってきたけれど、ど真ん中のまっさらな心はまったくブレていないことが、今作を通して聴けばわかるはずだ。(高橋美穂)
『ROCKIN'ON JAPAN』3月号より
2021.02.09 08:00