楽曲は、ピアノとストリングスが彩る、5分あまりの物語になっている。《一人だけで生きていける強さを早く 手に入れる訓練の最中にあなたは／物音ひとつなく現れて 今までの成果台無しにした》という歌い出しから、《「僕」という意味》を知るうえで、《あなた》や《君》がいかに必要であるかが、ひしひしと伝わってくる。さらに中盤で、壮大さを増しながら《彼方に投げた願いでも あなたの目蓋に／数えきれない足跡を今も残しているの》と歌う一節は、光のような気づきをもたらしてくれる。ひとりで出口を見つけなければならないと苦しんでいる人。願ってはつまずき、それでもあきらめられない人。そんな、「考えつづける人」に寄り添ってくれる楽曲だ。（高橋美穂）
