神の視点を備えた想像力

Siip『πανσπερμία』
発売中
DIGITAL
Siip πανσπερμία
6月25日に突如リリースされた3作目のデジタルシングルで、ミュージックビデオは1ヶ月と経たずに50万回超の再生回数を記録。タイトルのギリシア語“πανσπερμία”は「パンスペルミア」という読みで、地球上の生命の起源は宇宙にあったという仮説(元々は「命が天から撒かれた」という信仰)のことだ。Siipは、その音楽に独自の信仰を織り込むような姿勢で、伝統的な宗教音楽やゴスペルを連想させる“Cuz I”や“2”を発表してきたが、今回は人類史すらも丸ごと飛び越え、コズミックなエレクトロニックサウンドとともに歌い出す。有機化合物が寄り集まって原始的な生命が誕生し、次第に文明と情緒表現を膨らませながら歴史を形作るかのような壮大な展開は、Siipの驚異的なイマジネーションの広がりを伝えるものだろう。これは遠い昔の物語か、それとも地球上の生命が滅びた後の遥か未来の物語だろうか。《宇宙は唯々孤独で/仲間に入れて欲しいの》という途方もないスケール感の歌で、心に揺さぶりをかけてくる。10月に届けられる初めてのアルバムに向けて、期待感は高まるばかりだ。(小池宏和)

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