温かで柔らかな「想い」の歌

YOASOBI『ラブレター』
発売中
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YOASOBI ラブレター
TOKYO FMの番組との共同企画「レターソングプロジェクト」から生まれた楽曲。いつものように小説ではなく、小学6年生のリスナーが書いた「手紙」を原作としていることが、この曲の手触りと温度をこれまでのYOASOBIの楽曲とは決定的に違うものにしている。童謡のような、それこそ手紙のような、読み聞かせ、歌い聞かせるような、手渡しで届く歌。Ayaseはこんなにも穏やかで温かなメロディを書くんだ、と驚いたし、ikuraはこんなにも優しくて柔らかな歌を歌うんだ、と感動した。手紙の「宛先」が、YOASOBIのふたりにとって他人事ではない「音楽」だったことも大きいのだろう。大阪桐蔭高校の吹奏楽部による壮大なサウンドが支える中、《こんな気持ちになるのは/こんな想いができるのは/きっと音楽だけなんだ/(変わりなんて一つもないんです)》と歌うこの曲には、確かに、音楽に何かを託し、何かを願ってきたふたりの体温がぎゅっと詰め込まれているように思う。それにしても、この間の“三原色”にしろ、ここのところ彼らから届く楽曲には、今まで以上にふたりの「顔」が浮かぶ。(小川智宏)

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