よりディープに。よりリアルに

渋谷すばる『2021』
発売中
ALBUM
渋谷すばる 2021
1stアルバム『二歳』、そして2ndアルバム『NEED』と、自身から溢れ出てくる純度100%の歌をリリースしてきた渋谷すばる。新作アルバム『2021』は、この9月に40歳という人生の節目を迎えた渋谷が、今まさに見ている景色、思考、感情をより一層ピュアに描き出した作品となった。JRA「天皇賞(春)」のタイアップ曲として話題を集めた“塊”は、《あの時感じた微かな光》や《見えないけど伝わるもの》が、漠然と、けれどはっきりとそこに存在し続けていることを歌にした。渋谷のむき出しの歌声と確信に満ちたロックサウンドが、理屈ではなくそこにある希望を表現する。その確かな感覚を信じて歩み始めた渋谷だからこそ、『2021』はよりディープなサウンドに彩られながら強いエネルギーを放つ作品になった。《どうしようもなく 動けなかった》という歌い出しで始まる1曲目“2021.01.23”に、自分自身をそのままに歌い上げる渋谷の生き様が曝け出される。そしてアルバムラスト、東の空に昇る陽の光を歌いながら“終焉”と名づけた穏やかなこの曲こそ、また確信に満ちた新たな一歩を予感させるのだ。(杉浦美恵)

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