原点であり永遠

HYDE『FINAL PIECE』
発売中
SINGLE
HYDE FINAL PIECE
2002年、『ROENTGEN』という名盤をソロ1stアルバムとしてリリースしたHYDE。触れたら壊れてしまいそうな繊細さと、深く深く潜っていくような重厚さを併せもった「静」の音楽から出発した彼は、徐々に「動」へ舵を切り、アグレッシブな表現へと覚醒していった。そして、『ROENTGEN』から20年目を迎えた今年、進化した歌を携えて、ふたたび原点である「静」の音楽に回帰。『ROENTGEN』再現と銘打ったオーケストラツアーを回り、そこで披露されていた新曲がこの“FINAL PIECE”だ。2002年以降、自らのイメージを塗り替える過激な表現や、海外での活動など、新境地を開拓し続けるHYDEの奥底に、美しく澄み切った「静」の音楽が脈打ち続けていたのだと実感する。天から降り注ぐようなやわらかな歌声は、かつてと変わらないイノセンスと、広い外の世界を知ったHYDEだからこその力強い芯を伴って響く。カップリングのglobe“DEPARTURES”カバーも、90年代のノスタルジーとHYDEらしい壮大なアレンジのバランスが絶妙。今しばらくは「静」のHYDEに浸っていたい。(後藤寛子)

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