現代ロックのロールモデル

SCANDAL『MIRROR』
発売中
ALBUM
SCANDAL MIRROR
4人全員がソングライター/サウンドプロデューサーとして切磋琢磨し、のびのびと躍動することで今のSCANDALのトータルな磁場は形成されている。フェミニンであること、エレガントであることを作為なくパワフルな音楽表現に落とし込んでしまう鮮やかな手捌きも含めて、このロックバンドとしての必然を帯びた在り方は世界にも稀だ。通算10作目となるフルアルバムは、自分自身と深く向き合う時間を得た生活を映し出すような『MIRROR』である。繊細な情緒表現を、むしろ遠慮なく奔放に、豪胆に描き切っている。昨年のシングル群も素晴らしかったが、MAMIが切ないグッドメロディを捕まえた“愛にならなかったのさ”、RINAのアレンジ構築に舌を巻く“彼女はWave”、TOMOMIのガーリーな歌声とゴスペルクワイアが拮抗する“愛の正体”といった初出曲の連打が強烈。HARUNAが少ない言葉数で最大限のエモーションと物語性を引き出す“夕暮れ、溶ける”も見事だ。これぞ現代日本のファブ・フォー、という傑作を携え、彼女たちは3月から国内、北米、ヨーロッパのワールドツアーへと赴く。(小池宏和)

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