深く広く艶やかに、君に届く体温で

THE BACK HORN『アントロギア』
発売中
ALBUM
THE BACK HORN アントロギア
不穏なベースに始まり、ずっしりキレのいいギターとブレないドラム、そして《ヘッドフォンチルドレン》という彼らの歴史の中の名フレーズも取り入れながら、《堕ちてゆく 真っ逆さまも/見方を変えて急上昇さ》と気づかせる歌詞で構成された1曲目の“ユートピア”から、THE BACK HORNの在り方が伝わってくる13thアルバム。色気たっぷりの“深海魚”や“戯言”。ほっこり心が温まる“ネバーエンディングストーリー”。《願いは一つ いつもと同じ朝》と歌いながらも壮大な“夢路”。さらにシングル曲を畳みかけ、《長い夜が明けたその時は/きっと会いにゆく》と、今、君へと歌いかける“JOY”で幕を閉じる。前作『カルペ・ディエム』(2019)から、いろいろあったすべてを落とし込んだような、ハイライトばかりの全12曲だ。

メンバー4人とも、ロックバンドの無限の可能性を感じさせるほどに音楽性や文学性を深めながら、芯にある純粋性は変わらない。古代ギリシャ語で「花を集めること」を意味する『アントロギア』というタイトルも象徴的だ。気高くも真摯な、琴線を震わせる傑作。(高橋美穂)

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