しかし、不朽の名曲とは言え、2022年に再レコーディングされるとは想像していなかった。20年前のJAPAN編集部で、趣味趣向がバラバラな編集部員が共通して聴いていた楽曲。当時アルバイトだった私は、それぞれのラジカセ（時代！）から流れる、フィードバックノイズのシャワーきらめく光のようなメロディを、浴びるように聴いていた。そんな出会いだったから余計に、クリアに分離したサウンドは、たとえるなら雑踏の中でも颯爽と歩いてきて再会したような、ハッとするほど新鮮な感覚があった。あの頃よりもどっしりしていて、だけど、きらめく光は降り注いできて。名曲の再発見に留まらず、「音」が物語る時代性や主張も感じられる、深い意味のある再レコーディングバージョンだ。（高橋美穂）
