うわあ、売れたわ、これは。トップだわ。間違いないわ。すみません、失礼しました。などと、まず謝りたくなった、最後まで聴き通して。何言ってんの、もうとっくに売れてんじゃん
Creepy Nuts、どこのフェスに行っても大人気だし、このアルバムのツアーファイナルはさいたまスーパーアリーナだし――とか言われそうだが、そのレベルではなくなるでしょう、もっともっととんでもなくでっかくなるでしょう、という話です。
YOASOBIとのコラボ曲“ばかまじめ”や“堕天”などの既発のシングルが、特に突出して聴こえない。つまり、それ以外の新しい曲たちも、異様にキャラが立っている。要は、ポップミュージックとしての強度がとんでもない、アルバムの頭から最後まで。 “フロント9番”なんて「BORO? 河島英五?」とか言いたくなるが、それはつまり、そういうリスナーにもリーチできる曲だ、ということだし。これまでに大ブレイクした、国内の「広義の意味でのヒップホップグループ」のすべてを抜いてしまうほどの巨大な人気を獲得しても驚かない、このアルバムなら。(兵庫慎司)
『ROCKIN'ON JAPAN』10月号より