たくさんのライブや作品を届け続けた、結成25周年のフィナーレを飾るアルバム。『Fin』以来約5年ぶりのアルバムであり、その間にはコロナ禍にも見舞われた。彼らは正直であるが故に、喜びも悲しみも、様々な出来事が降りかかるほどに、それを表現に反映させるバンドだと思う。全15曲というずっしりとしたボリュームになったのは、前作から長い月日が経ったからだけではないはずだ。
“炎”“彗星”と畳みかける、キッズ歓喜のゾーン。“まだ戻れないよ”“おしえて”と、前半と後半に挟み込まれた1分に満たないアコースティックな名曲。沖縄民謡を思わせる音階が織り込まれた、まさに海のように広く深いバラード“深海魚”。バラエティーに富みながらも、すべての楽曲が『コリンズ』という物語や、今の10-FEETに必要であることがわかる。
なお、『THE FIRST SLAM DUNK』ED主題歌 “第ゼロ感”からは、彼らのヘヴィネスがアップデートされたことが伝わってきたが、完全生産限定盤と通常盤Bには映画の劇伴5曲が収録されたCD②がつく。さらなる10-FEETの可能性が感じられるので、こちらも必聴。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2月号より)
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揺れてきらめく波のような感情の刻印
10-FEET『コリンズ』
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