イントロの緊迫感のあるドラムと歪んだベースから一気に引きつけられる“Line of sight”。細やかなプレイが活きたリズムセクションや各楽器のギミックと存在感のあるリフレイン、サビに向けて少しずつ加熱してゆく高揚感、シリアスすぎず爽快になりすぎないサウンドデザイン、たくましさと揺らぎを兼ね揃えたボーカルなど、4人の奏でる音色が歌詞に綴られた困惑や苦悶、屈強な意志を生々しく、かつ凛と照らしていく。“Vision”もアンニュイでクールなムード、タイトなダンスビートと憂いを帯びた流麗なメロディが織り成すグルーヴが小気味よい。光と陰を巧みに操る2曲。まっすぐ前を見たその視線は、静かながら大いなる矜持に溢れる。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年6月号より抜粋)
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