昨年、再始動を発表したGalileo Galileiの、7年ぶりとなるフルアルバム。かつて、その身がヒリついていないか?と思うほどに音楽的な脱皮を繰り返していたバンドだから、年齢を重ねた再始動のタイミングでの変化は、もちろん想像していた。でも、いざ聴いてみると、それは想像していた音楽的な変化とは違って、もっと精神的な変化が前提となって伝わってくるというか――解放的な明るさと、受け入れた切なさという、大人になると同時にやってくる感情が今作からは聴こえてくる。エレクトロな味つけもナチュラルに取り入れられているけれど、音色の強弱や楽器のタッチもパッケージされているように思えるほど、ライブ感があり、バンド感がある。爽やかなメロディとカラフルな音色の中で、尾崎雄貴の美声に改めて気づけるくらい「本当に大切なもの」だけが詰まった今作。そもそも「恐るべき10代」だった彼らだけれど、その真の才能が、かつてなく伸び伸びと舞い踊っている。《遊ぼう 元に戻さないで 涙は拭かないで/遊ぼう/それがまっとうな人生だよ》(“あそぼ”)――きっと、楽しいのはこれからだ。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年7月号より抜粋)
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Galileo Galilei『Bee and The Whales』
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