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このアルバムは、この時代を生きる人々の様々な感情を受信している。そこには疲弊も、不安も、混乱もある。「どうやって生きればいい？」、そんな誰かの叫びが聞こえる。ゆえにミセスは、このアルバムが届くであろう、この世界にいるどこかの誰かに向けて、果敢にメッセージを投げかける。今この瞬間に、あなたが少しでも心穏やかにいれるように。あなたが少しでも自分を愛せるように。アルバム一枚を通して、ミセスはこのこんがらがった世界を、そこで生きるあなたの心を、少しでも柔らかく解きほぐそうと試みる。スケールの大きな“Soranji”や“私は最強”、大胆なポップネスが弾ける“ケセラセラ”や“Magic”などのシングル曲群はもちろん、無敵のパワーポップ“ANTENNA”や、魂の暗黒から光を素手で引っ掴むような“Loneliness”、陽性でキャッチーな“Doodle”など、ストレートなロックソングたちの存在感も素晴らしい。彼らを特別たらしめる、ポップアーティストとしての鋭利な感受性が光る。（天野史彬）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年8月号より抜粋）
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