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今年5月に開催された横浜スタジアムでのワンマンのあとに制作されたという新曲。結成10周年という節目を壮大な景色の中で祝福したsumikaが、新たな季節の始まりを告げるこの曲に冠した言葉は、“Phoenix”。不死鳥。「再生」を象徴するモチーフである。かつては「ふっかつ」を歌った彼らにとって、生きていくとはそういうことなのかもしれない。再生し続けること。思えば、音楽もそういうものである。何度でも再生し続ける。曲を再生してから十数秒の間に、様々な音やフレーズが聴こえてくる。その先に広がるのは、目まぐるしく色鮮やかなsumikaの音楽世界。コーラスやピアノの旋律、ストリングス、クラップの音などが豊かに響き、同時にオートチューンや打ち込みのビートも色を添える。sumikaらしい華やかで躍動的な世界観を、さらにシャープかつモダンに仕上げたのは、バンドと共に編曲を手掛けた宮田‘レフティ’リョウやエンジニアの小森雅仁の手腕も大きいだろう。(天野史彬)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
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