『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
メジャー1stシングル、初のアニメタイアップもついた重要な局面で届けられた新曲“Hyper”。イントロから狂ったようなホーンセクションの中をドスの効いたがなり声が蠢き、短音階のキャッチーなギターリフとグルーヴィーなリズム隊が濃密に絡み合い、Aメロでは面目躍如のラップが弾けまくるというあまりにもKroiな楽曲でブチ上がってしまった。サビに向けてポップに開けていきながらも最もおいしい場所に《ややこいからほっとこう》という言葉を放り込むそのセンス、脱帽。そしてやっぱり最高なのが内田怜央のボーカルだ。ざらついた蛮声で脳天を突き刺したかと思えばふわふわのファルセットで耳を撫であげる変幻自在のボーカリゼーションで、楽器とヒリついたデッドヒートを繰り広げる。ラストは千葉大樹(Key)に主導権を引き渡し、ピアノソロが上下左右自由に転げ回って完走。1月には初の武道館公演も控え、「らしさ」と「ヤバさ」を抱えたままメインステージへ殴り込んでいく――これぞKroiの戦い方だ。(畑雄介)(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』12月号のご購入はこちら