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“ホテルニュートリノ”に次ぐTHE YELLOW MONKEY活動再開後第2弾楽曲であり、5月29日にリリースされる10thアルバム『Sparkle X』のオープニングナンバーとして先行配信された“SHINE ON”。グラムロックの王道を闊歩するような、ミディアムテンポのタフな8ビート。妖しく快楽中枢に絡みつくリードギターのフレーズ。そして、時代や社会に反骨の狼煙を上げるでも、熾烈なドラマの主人公を演じるでもなく、しなやかな歌声に凄味と生命力を宿らせつつ、THE YELLOW MONKEYというバンドの表現をも未知の新次元へと押し上げている吉井和哉の歌。ロックンロールの狂騒感も高揚感も壮大なパースペクティブへと織り上げてきた唯一無二のボーカリスト・吉井は、自らの癌治療の体験を経て、死と対峙する生の在り方を「特殊な条件下のファイティングポーズ」ではなく「すぐそこにある自然体」として受け入れるに至ったのだろう。生き様すべてがロックになっていくバンドの、最新最強型の輝きの形がここにある。(高橋智樹)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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