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2022年に前身バンドからボーカルがチェンジし、再始動という形で名前も変えて始まった3人組ユニットの1stアルバム。バイラルヒットとなった“踊楽園”をはじめ、既出シングル曲6曲に新曲3曲を加えた構成だが、まるでコンセプトアルバムのような、アルバム1枚を通して物語を感じさせるくらいの没入感がある。メンバー各々が作詞作曲だけでなく映像監督やグラフィックまで手掛けるという視座の広さゆえかもしれない。アルバムの1曲目を飾る“Loud Land”から、苛立ちを隠しきれない醒めた眼差しは、こんな世界を描写する――《フェイクニュースが／その目奪って》《何かに似てるしか／言えない評論家ども》。醒めた眼差しはその後、ズブズブと深みにはまっていくように、「愛」に惑う様々な人間の有様を描いていく。時に切なく、時に猥雑に描かれる、そのぐちゃぐちゃにこんがらがった人間の姿にこそ、嫌気がさすこの世界に対してのアンチテーゼを見ているようでもある。（天野史彬）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋）
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