日本のロックの歴史に残るべき曲

ズーカラデル『友達のうた』
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ズーカラデル 友達のうた
一部だけ切り取って聴いても真価がわからない。吉田崇展のアカペラで始まって、歌とアルペジオのギターで終わる4分14秒をフルで聴かないと伝わらない。という点では、現代の音楽の聴かれ方には適さない曲だと言えるが、逆に言うと、自分にとって音楽は大事なもの、重要なものとして認識している、曲は頭から最後まで聴くしアルバムは全曲聴く、という人には、とてつもないものを食らわせてくれる曲だ、これは。曲のテーマは他者とのコミュニケーションの厄介さで、詩的でありながら具体的でもあり、この内容でこのタイトルであること自体がもう「負けました」と言いたくなる。そんな歌詞に添って、曲が進むたびに自在に変化していくメロディ(コード進行は1種類でずっと同じ)の豊かさにも耳を奪われる。ズーカラデルの結成10周年イヤーの第1弾として初音源化された、結成当初からライブでのみ歌い続けられてきた曲。これまで音源にしなかった理由もなんとなくわかる。ライブ同様にダビングなしでのレコーディング。(兵庫慎司)


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