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世界の動向と対峙しながら、日本の音楽シーンで最も「ロックの存在意義」とリアルかつ真摯に向き合いながら闘ってきたONE OK ROCK。コライト方式などUSポップスの手法も取り入れながら懸命にロックを批評してきた彼らが、そのハイブリッドかつハイパーな音楽制作の方法論の限りを総動員して、過去最大級に巨大な肉体性に満ちたエモーショナルなロックの王宮を築き上げるに至った――ということが、冒頭の“NASTY”の段階で克明に伝わってくる。“Delusion:All”や“Dystopia”“+Matter”“Puppets Can't Control You”といった既発曲群はもちろんのこと、聴く者すべてを目映い高揚感の頂へと押し上げるような“Tropical Therapy”しかり、憂いを帯びたアコギのアルペジオとラウドな激走感をメランコリックな旋律で編み合わせた“Party's Over”しかり、そのすべてが「ONE OK ROCKらしさ」と「未知のロックの息吹」を宿している。前作『Luxury Disease』から約2年半、新たな極限進化を時代に刻み込むマスターピースだ。(高橋智樹)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より)
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