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石川県金沢市発・プッシュプルポットの4thミニアルバム。1曲目“雨上がり”で、《泣きたい時に泣いて》というシンガロングと、山口大貴(Vo・G)の《笑いたい時に笑って》というひとりの歌が畳み掛ける展開に、プッシュプルポットが「仲間とはしゃぎたいときも孤独に打ちのめされたときも傍にいてくれる」ことが表現されていると思えた。冒険のストーリー“ゴールドマーチ”も、《笑われて馬鹿にされても/船を出せ次の島へ》で、肩を組むようにコーラスが響いてくる。それぞれの楽器が自由な聴かせどころ満載で疾走する“ダイブアライブ”も、《君と世界を/飛び越える歌》なのだ。その根本には“光”に刻まれている、地元・岩手で13歳の頃に東日本大震災で被災した山口の経験があるのだろう。ラジオから聴こえた《名前も知らない/優しいロックンロール》に救われた彼と、バンドを共にする3人は、音楽の大切さを誰よりも知っている。今作で出会う《君》と、ライブハウスで、家で、いつでもどこでも一緒に歌うための全8曲。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より)
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