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ライブを観たらわかるし、アーティスト写真の時点でも既に伝わるだろう。プッシュプルポットはとても明るい。そういうキャラクターが発するポジティブな言葉やメッセージは、時として身構えられて深く届かなかったりしてもおかしくないのに、彼らの音楽はズバッと正面突破で飛び込んでくる。3枚目のミニアルバム『生き抜いたその先で』でもやっぱりそこは変わらない。“バカやろう”や“少年少女”で持ち前のパンキッシュなギターロックを炸裂させる一方で、穏やかにノスタルジックな情景を描く“Dear My Friend”のような表情も覗かせながら、最終的に辿り着くのは“生きていけ”。思いっきりアツく真っ向から歌われる、《生きていて良かったって》思える毎日を探し、出会い、そんな日々をもたらしたいという願いこそ、プッシュプルポットの核心だ。明るいばかりではいられない逆境も経験もしながら、困難に立ち向かいながら生き抜いてきた先にあった今、彼らが放つ言葉と音は、この先も生き抜いていく我々を照らす。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年2月号より抜粋)
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