私はプッシュプルポットの音楽から、いつも元気や勇気をもらうことができる。それは、バンドのほぼ全曲のソングライティングを担当し、東日本大震災で被災を経験した山口大貴(Vo・G)が作る音楽だからというわけではない。彼らが奏でる音楽だからそう感じるのだと思う。でも、なぜプッシュプルポットにはそこまで特別な魅力があるのか、その答えが今回のインタビューに詰まっている気がした。結局、音楽はエンターテインメントだから、人が笑ってくれたらすべてかなと思ったりして。見えない感情より見えた感情のほうがいいし(山口)
最新作『日々を彩って』は、《泣きたい時に泣いて/笑いたい時に笑って/せめてこの場所だけでは/あなたらしくいていいんだよ》と強く、ストレートに思いを届ける“雨上がり”から始まる収録された8曲は、すべてが誰かの人生のふっとした瞬間に寄り添ってくれる応援歌になっている。
私は彼らの音楽を聴く時、それがサブスクであろうと、どうか歌詞といっしょに聴いてほしいと思っている。生きていく上で、何かに悩んだり躓いたり、道が見えなくなる時もあるだろう。でも、プッシュプルポットの歌詞、音楽にはそんなあなたの背中をそっと押して、支えてくれる力がある。ぜひ、『日々を彩って』だけでなく、過去作も含めてこの機会にチェックしてほしい!
この数年で先輩バンドのフェスにたくさん出演しながら、バンドとして成長し続けるプッシュプルポット。常に全速力で走り続ける彼らの今、目の前のあなたに伝えたいメッセージがなんなのか、そこについてもインタビューでたっぷりと語ってたので、全編をぜひとも見逃さないでほしい!(岩田知大)
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