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恋愛感情はとても本能的かつ直感的だ。その思いが純粋であればあるほど舞い上がって相手を求めてしまう。それは大切な人の些細な表情や感情の変化にすら気づかないほどに激しく燃え上がる愛の炎である。「好き」の思いの強さとふたりの幸福度は必ずしも比例しない。同曲にはそんな恋愛の奥深さと難しさ、純情や幼さ、後悔や痛みが刻まれている。歌詞には《会いたい》と《空いた胃》といった押韻、食という欲求と相手への思いを掛け合わせた表現や《サビで歌ってみる》というメタ的な描写など言葉遊びが随所に用いられており、これらが主人公の無邪気さに加え、泣き笑いのような憂愁の念をより鮮明に映し出している。その中で一貫しているのは「ぬくもり」だ。ボーカルには悲哀以上に「あなた」に出会えた喜びや愛情が込められ、ミドルテンポで軽快なリズムに乗る落ち着いた音色の一つひとつに、あなたの手を静かに握るような真摯な思いが通う。痛みはすべて、好きすぎるほどの相手に出会えた証なのだ。（沖さやこ）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より）
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