“BREEEEZE GIRL”は涼やかなメロディが際立っているが、実はリズム隊がかなり細かい芸を見せており、キメ処でさり気なくダンサブルさを露にしたりする。それがもの凄くベボベらしい。歌心が満載である一方、ノリ、ビートに対する感覚も常に研ぎ澄ませているのが、ベボベ・サウンドのポイントだ。しかもシーケンスや他の上モノを重ねず、「ギター、ベース、ドラム」というギター・ロックの基本編成から強力なダンサブルさを生み出しているのが興味深い。 ロックにダンサブルさを掛け合わせるのは、言うまでもなく全く珍しくないことだが、ベボベは一味違う。彼らのダンサブルさは「異質な要素の添加=掛け合わせ」ではなく、「自分達の守備範囲から自ずと生まれちゃっている自家製感=無添加=必然」。だからこそ“BREEEEZE GIRL”のような、「そう言えば……これってめちゃくちゃ踊れるね」といった趣の、超キャッチーな歌モノだけど実はダンサブルという、器用で独特なフィーリングが生み出せてしまうのだと思う。やっぱりベボベは他に代わりになる存在が見当たらない、唯一無二のバンドだ。(田中大)