GOING UNDER GROUNDの松本素生によるソロ・プロジェクト、S×O×U。デビュー作はヒダカトオル(BEAT CRUSADERS)をプロデューサーに迎え、90年代USインディーのオルタナ・ギターポップをキーワードに制作がスタートした。ヒダカには「ゴーイングの時とは違う、松本の男っぽい部分を際立たせたい」という狙いがあり、エモーショナルなサウンドと、衝動に満ちた熱いボーカルも聴きどころ。しかも、そのバンド・アンサンブルを奏でるのは田淵ひさ子(G)、つしまみれのみずえ(Dr)、そしてSuperflyのサポートなどで活躍する岩崎なおみ(B)と、周りを全員女子で固めているところも面白い。ヒダカとのコラボでは基本的に全編英詞のようだが“Funny Sunny Day”は日本語バージョンもあり、切なさとか青春とかバンド・ストーリーを脱ぎ捨てた、豪快でパワフルな言葉たちが放たれている。ゴーイングやビークルのファンはもちろん、ロック・リスナーを幅広く興奮させられそうな力のある作品になった。そして、このソロ活動はゴーイングにもまたいい刺激を与えることだろう。(上野三樹)