ディケイダンス所属ということで、オーナー=ピート・ウェンツの七光りだけで名を挙げてきたコブラ・スターシップ――おおっと、これ私が言ったんじゃなくて、こんな感じのタイトルの曲が今作に収録されてるんです。自虐にもほどがあるけど、むしろそんなジョークかませるほど、今の彼らは上り調子なんだろう。そう思える3作目だ。今年のフジで披露された新曲を聴いて&先立って本国リリースされた本作が全米4位(コブラ初のトップ10入り!)のニュースを聞いて新作を心待ちにしてた人も多いはずだが、悪ガキキャラに磨きをかけて不敵にアッパー・サウンドを繰り出す今作は、80sディスコ/エレクトロを一呑みしたようなギラギラ感を枠に00sファッションで飾りあげたニクいほどの折衷センスが嗅ぎ取れる秀作。アメリカン・アイドル審査員が作曲に参加していたり、人気ドラマの若手女優をゲストボーカルに起用したりというチャラい話題性も堂々と今作に放りこんでいるんだけど、そういうことしてもちっとも嫌味がないのは「全ては皆に楽しんでもらうため!」的素直さが滲み出てるから。これで踊りたくならない人は、人生損してる。絶対。(上田南)