本作がステートメント

ジョー・ペリー『ハヴ・ギター、ウィル・トラヴェル』
2009年12月23日発売
ALBUM
ジョー・ペリー ハヴ・ギター、ウィル・トラヴェル
rockin'on2010年1月号に掲載したインタビューを読んでいただければ分かる通り、エアロスミスを取り巻く状況は現在めまぐるしいことになっていて、正直この号が出る頃には更に新たな展開を迎えているかもしれない。今回の脱退劇は、本人達同士の話し合いはなく、オフィシャル・ステートメントもなく、ネット・メディアを介しての「また聞き」によって起こったものだ。発端はもちろん、スティーヴン・タイラーの「2年間の休みをもらって、ソロをやりたい」という発言である。早く新作をリリースしたいし、ライブをやりたいと思っていた他のメンバーが不審に思うのも無理はない。けれど、このアルバムを聴くと、僕はスティーヴンの気持ちも分かるような気がする。

エアロスミスのアルバムに入っていたかもしれない曲を、スティーヴン・タイラーによく似たボーカリストが歌っている。つまり、かなりいいということである。これを聴いてスティーヴンが嫉妬したとしても不思議はないし、一緒にステージで歌いたくないと言ったのもよく分かる。一方、ジョー・ペリーにしてみれば、エアロスミスでやりたかったのに、待てど暮らせど進まず、業を煮やしたのかもしれない。その意味でジョー・ペリーは、このアルバムとプロジェクトにかなり本気である。

けれど、スティーヴンも次のエアロのアルバムが自分達のキャリアにとって重要な作品になることは重々承知していたはずだ。だから慎重になっているのだろう。でも、ファンの本音としては、やっぱりスティーヴンが歌うエアロスミスの新曲を聴きたい。そんな日を本作を聴きながら待つしかない。(古川琢也)
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